就活失敗したニートの就活記

就活失敗したダメな大人の体験記

町工場の面接編

履歴書を送ったら真っ先に連絡がきたのが近くの町工場でした。

なんだか、工場見学と面接同時にするから明日これる?みたいなことを言われた。

まだ別の面接日とかぶってないので行くことにした。

 

 

ということは書類選考が通ったということでいいんだろうか?

と思ってとにかく一段落。

書店で買った応募用の履歴書ですが、履歴書にもバイト用とかパート用があってビックリしました。

よくわからなかったので就活用がどうこう書いてあったB4サイズのやつにしました。

履歴書でびっくりしたのが、志望動機の欄が2行しかなかったこと。

大学で就活をしていた頃は志望動機の欄が、広く取られていて「ギッシリと詰め込んで書き込め!」みたいなことを大学のキャリア課に言われたのを覚えています。

大学時代のぼくはいつも志望動機で悩んでいた。

たぶん全国の学生さんやニートのほとんどが志望動機で悩むんじゃないでしょうか。

そもそもの大前提が「働きたくない」ニートや目標がない学生は志望動機が薄い。

正直いって、人はなぜ働くのかと言われると”衣食住の維持”が大前提だ。

でもお金ほしいからとか言うとなぜかNGなんですよね。

だからわけがわからない志望動機文を書くしかなくなる。

よくある難癖つけて興味があるということを示す志望動機文があるけれど、それも大学時代にNGを言い渡された記憶があります。

じゃあなにがいいの?ってなると、実際に働いた場合にどういう働きをするのかとか働いた先のビジョンとか働くことでのメリットを書くといいらしい。

それを書こうとおもうと、資格を取りました!、○○で勉強してました!、バイトリーダーでした!、ボランティアが!とかの経験があるといいのです。

なぜかというと、わかりやすく自分を雇うメリットを示せるからですね。

しかしそんな志望動機に意味とか有るのだろうか?

ぼくはないと思うんです。

正直いって、大学生ならなおさらで何十社も送るんだからいちいち志望動機なんて考えれないんです。

だってなんのキャリアもないんですよ。

そんな中で自分を売り込めっていうのもムリがある。

だから中にはウソをついてでも自分を誇張して書く奴ばかりだけど

ぼくは簡潔に真実を述べることにしました。

「お金がほしい」「生活を安定させたい」「家から近いので通勤が便利だとおもった」

絶対NG出されるような内容でいくことにした。

だってこれしかないんだもの。他に何が必要なの?と思う。

世間のおっさん達は、生活を守るために衣食住を維持しようと働いてるんじゃないんですか。

これは学生も若年の人も同じだと思うんですよ。

 

というわけで町工場の志望動機には単純に

「家から近いから」「労働条件がよかったから」と書きました。

 

さて、面接にいった話にもどします。

お昼過ぎに町工場のほうへ向かうと事務所のようなところがあったので

そこでインターホンを押して面接にきた旨を伝えると事務員の方に案内されて

プレハブ小屋みたいなところにある休憩室のような場所に連れて行かれた。

 

そこには、ぼく以外にも学生っぽい若い人が5人いた。

なんだか新卒っぽいひとがいるのにちょっと驚いた。

大きさは下町ロケットというような感じの規模で30人ほどの会社。

そこで、お茶を出されて待たされること10分ほどで社長を名乗る人がきた。

ものすごいイカつい人で、待たせてすまねえなという感じで

この時点で敬語とか丁寧語を使っていない人だった。

ぱっと見でヤ○ザといわれても納得する感じである。

履歴書を見比べて、本人確認をしたのち、一人ひとりに面接をしはじめた。

ぼくは一番最後にきたので、順番でいえば最後になりそうだった。

個室でそれぞれやるんじゃなくて、その場で全部やってしまうというのは斬新な感じでした。

新卒の方が何人かいたのですが、すごく堅く形式的なしゃべり方をしていて

6年前の自分を見ているようでした。

ぼくの番がまわってきて、職歴もない働いたこともない経緯と志望動機を簡潔に伝えた。

そして全員と喋り終わって、社長は工場を見学してほしいと言って見学をすることに

金属部品をつくっている工場なので、轟音が鳴り響きます。

 

見学が終わると休憩室に戻って、社長が「どうですか」と問答をする。

どうやら、見学をして向いてないとか思うなら帰ってほしいとのことでした。

ここでは誰も帰らなかったんですが、次に社長が労働状態について触れた。

社長の話では、怒号が飛び交う職場だし、泣く社員もいるとのことで生半可な覚悟では勤まらないと凄んで話をされた。

新人教育はあまり行っておらず自主性にまかせてるとのこと。

そのほか、慣れない人や手際が悪いひとは残業漬けになることもあるし

その場合は当人の効率が悪いということなので残業代は出さないと言われた。

でも、早く終るひとはすぐ終るし、規定以上の生産をした場合は残業代も出るということでした。

繁忙期は休日も返上することもあるということを告げて、これが嫌と思うなら帰って欲しいということでした。

すると、「すいません」といった人を皮切りにどんどん帰っていってぼくだけになりました。

君はどうするの?と言われたので、質問していいかと言って

ハローワークの求人票とあなたの言っている労働条件に差異があるのではないかと質問をした。

残業は平均値で給料も平均的に仕事をしている人を例にしていると曖昧な返事が返って来た。

ぼくはそうですかと言って了承をした。

 

すると社長は「じゃああとは君次第だ」と言いました。

ぼくが「え?」となっていると、「君が働きたいなら働いてほしい」とその場で言われました。

正直、ここで合否だすのかよ・・・と思った。

ぼくはまだ1社目なので、「少し時間をくれませんか」と言うと

今きめてもらわないと困ると言われた。

そこの工場は運動不足なぼくには辛い力仕事があったので、それが出来なさそうな感じがすると伝えると

じゃあやめたほうがいい、迷ってる人を採用する余裕はないと言われた。

なのでぼくは、じゃあやめときますと言って面接を終わった。

 

社長は冷蔵庫をあけてペットボトルでお茶を飲みだした。

帰る前にぼくは社長に1つ質問をした。

いつも何人が帰ってしまうんですか?というと

「実は圧迫面接してるんだよ」と笑いながら言っていた。

月に何度か面接をして残った人に採用を出しているのだとか。

さっき言った劣悪そうな労働環境も誇張してて

実際は、夕方に工場を止めたらすぐに全員帰宅するので残業もほとんどないし

休日出勤なんて絶対にないし、怒号が飛び交うこともないそうだ。

天塩にかけて育てた新入社員がすぐにやめてしまうので

すぐにやめない覚悟を試したいということでした。

 

たしかに、休日も120ほどあってボーナスもありますし給与も普通の大卒並にあります。

書面上で見るとすごくいい求人に見えても

合わないとかでやめていく人をどうにか弾きたいという思いが伝わった。

 

残る人というのは半年に1人ほどしか現れないからぼくには期待したそうだ。

だけれども力仕事があるから君には向いてないかもしれないねと微笑しながら言っていた。

それでも、ぼくがやるといったら雇用するつもりだったんですかと言うと

そんなものやる気があればどうにでもなるし、工場の社員だって最初はみんな使い物にならない人だったけど

いまではその人達がいなかったら終わってしまうぐらい頼りにしてると言った。

 

ぼくはありがとうございましたとお辞儀をしてその会社をあとにした。

 

 

正直、こういう感じで面接されるのは悪く思わなかった。

理にかなっている感じがしたからだ。

”続く人”がほしかっただけなのだろうけど、やる気次第というのは同意できる。

今回はマッチングせずという結果だったけれど

こういう社長の下なら働けるなぁと思った一日でした。

 

つぎはIT企業だ。